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2014年10月26日  
岡山県犬島の歴史的遺産「犬島精錬所美術館」!
■ 岡山市の「犬島精錬美術館」!


岡山市の「宝伝港」から約2.5㌔の沖合にあるアートの島"犬島"に行くことにしました。
新居浜市の"別子銅山"に続く遺構を目指して!行こう



      "犬島"へ向かう船が出る「宝伝(ほうでん)港」  
「宝伝港」は、宇野港よりも東にあり、山陽自動車道"山陽I.C."から南へ約30分。
ただの漁港かと思ったらちゃんと定期船が到着していました。






 ↓ 向こうに見える煙突が"犬島"
   です。 
 「宝伝港」は、波音しか聞こえてこないような静かな港でした。
防波堤には、地元小学生が書いた看板がありました。「宝伝をよごすた!」(?)

 
 「宝伝港」から「犬島」までは、約10分(300円)ですから、宮島へ行くような距離感覚です。
「犬島港」に着くと防波堤替わりのような大きな岩が並んでいました。
"犬島"の名前の由来は、島の形かと思ったら違うようで、島にある巨岩が犬のようで付いた名前という説もあります。

← この岩ですかね?
 
 港に着いてまず目に付くのは、焼き杉で覆われた「犬島インフォメーションセンター」です。
中は、ギャラリー、カフェ、チケットセンターになっています。

まずは、ここで大人2,060円のチケット(美術館入館料+"家プロジェクト"入場料)を購入します。

 
 "犬島"は、もともと花崗岩が採れる所として知られており、大阪城や岡山城の石垣も"犬島石"が使われています。


 
 インフォメーションセンターから海岸沿いを5分ほど歩くと早速「犬島精錬所美術館」の入口に差し掛かります。
錆色の門が歴史的建造物の雰囲気を増幅させます。

 
 「犬島精錬所美術館」は、犬島精錬所の遺構を活用した美術館です。
2008年に開館しました。

 
 敷地内のいたる所に敷き詰められた黒っぽい煉瓦は、"カラミ煉瓦"と言って、鉱石が精錬される過程で、銅分を取り除いたあとのカスを型に流し込んで作られたものです。



 
 ここ周辺の景色を切り取ると、すぐそばが瀬戸内海だけに、地中海の史跡っぽい雰囲気もしてきます。

 
 「犬島精錬所」は、1909年から1925年の十数年間だけ活動した銅の精錬所です。


 
 最盛期には、この小さな島に3000人以上の人たちが住み、小学校や中学校も作られました。


 
"犬島精錬所"は、 煙害の問題から離島に作られましたが、自山鉱を持たない精錬所であったことから、銅価格の暴落から廃鉱に追い込まれました。

 
 島の東部には、かつての大規模な精錬事業をうかがわせる遺構が100年以上経った今も良好な形で残されています。

 
       "美術館"の建物です。



電気を使わず、煙突から取り入れる外気や地熱、太陽光などで、館内の冷暖房を賄っています。
※美術館内部は撮影禁止です。


 
 レンガに絡んだ蔦が紅葉していました。 ↑

 

 教会かと思ったら"発電所跡"だそうです。




 
黒っぽい煉瓦と青空、瀬戸内海のブルーがコントラストを成して際立っています。

 
 遺構と自然の山が一体化して、不思議な光景が広がります。

 
  "精錬所美術館"は、海沿いを回って小高い丘を回るコースが整備されていますが、丘に登ると周りの島々を含めた全体が見渡せます。



 
煙突も形が様々ですが、六角形(恐らく)の煙突は、レンガが大部崩れかかっていました。
 
 "犬島"は、昨年行われた「瀬戸内国際芸術祭」の会場にもなり、多くの観光客で賑わっていたようですが、今は、各施設とも大丈夫!ノンビリとご覧になれます。

 
 "犬島"は、周囲が4㌔と小さな島です。
車は1台だけ見かけましたが、道を歩いていても車とすれ違うことはまずありません。
静かな島です。

 
 島の人口は100人ほどだそうです。
狭い路地が多く、途中の空き地には、アートが点在しています。
 
 そんな中、もうひとつのアートプロジェクトが「家プロジェクト」です。
島内4箇所に建てられた家そのものが"美術館"になっていて、中に作品が展開しています。

 
島の風景や静かさを感じながら、アート作品を見るのは実に贅沢です。


 
 少し歩くと島の反対側に出ました。
南国風な"犬島海水浴場""キャンプ場"です。



 
 "犬島"と言いながら、犬は柴犬1匹しか見かけませんでした。
釣り場としても良さそうで、クーラーボックスを持った方々も船でご一緒しました。

カフェやユニークな宿泊施設もあるようで、"自然と文化の融合"を体感しに、是非、行ってみて下さい。