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2013年09月29日  
第25回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)開催!
 ■ 「第25回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」開催!

山口県宇部市の"ときわミュージアム"彫刻野外展示場で「UBEビエンナーレ」が29日、開幕しました。
2年に1度開催されるこの彫刻展は、去年9月に一度、ビエンナーレの会期と関係のない時期に訪れましたが、この度、殆どの作品が入れ替わるということで行って来ました。

 
 
   今回のビエンナーレ(現代日本彫刻展)には、36ヶ国308点の応募作品の中から選ばれた"40点の入選作品""18点の野外彫刻"が展示されていますが、この度は"野外彫刻"を中心にご紹介します。

 湖の周辺には、色とりどりの花が植えられています。
 
 会期は2013年9月29日(日)~11月24日(日)9:00~17:00で、何と言っても「入場無料」!ですから、是非!秋の行楽シーズンにお出かけ下さい。
どれも見てビックリ!のオブジェジェ!

 
 
  会場内には、この野外展示場の象徴でもある向井良吉の「蟻の城」1962年作、オレンジ色の作品)がそびえ立つ中、新作18点が展示されています。


「蟻の城」の左側の作品は、高橋裕一郎の
「グリーンファイアー」

 
 中出武彦の「もりのまち」は、表はビルのように見えますが、裏へ回ればジャングルジムのようになっていて、子供たちが登れるようになっています。
作者曰く「おっこちたってじこせきにん」だそうです。
   
   
鎌田祥平:作「コレクション」
半透明の素材で出来ているため、時間帯の光や雨の具合で見え方が変化するそうです。
見たときは"くもり"だったのでビミョーでした。


 ↓ ヴァジルジェヴァ(ラトビア)の「タイム・キャッチャー」

   佐藤圭一:作「じいちゃんの鼻の穴に宇宙があった」 
     
 藤本イサムの「石の華」 
子供の目線には、空に浮遊するタンポポの冠毛に見えるそうです。
光と影、風が通り抜ける心地よい空間を演出しています。


 
 
   
林大作:作の大作!「プロローグ」
"こころ"を"かたち"として表現したそうです。
タマゴ型の石は、こちらから見れば"タマゴ"ですが、反対側から見れば割れています。
"タマゴ"の向こうには"タンポポ"の冠毛が飛んでいます。


  三宅之功:作「フーズ・ザ・マン」 全身苔(こけ)です。
   こけずに立ってます。

         「エフェメラル・デプス」(合作) 
     
 「エフェメラル・デプス」は東京都出身の3人の作家による作品ですが、街路樹が落葉して木の葉が堆積していくような、どこにでもある、誰もが気にもとめない風景を作ったそうです。
葉っぱの下には空気があって、色んな生き物の住処になっています。覗いて見て下さい。
 
 
   
森貴也:作「境界」
側面は錆びた鉄、上部はステンレスで出来た塊ですが、ステンレスは時が経っても現在を映し出し、鉄はどんどん錆びて二つの境目は鮮明になって行く様を作り出したそうです。
 
 外磯秀紹:作「サイン」
外磯さんは「大きな形(全体)は、小さな形(細部)を包括している。それは細部が全体を造っているということ」だそうです。
覗きこむと空や周囲の景色と一体となって吸い込まれそうです!

 

  シュバンダー(スペイン):作「ネクスト・ストップ・ネイチャー」
自然と人間の関係性を表わしているそうです。
全ての人が自然との均衡を取り戻すための作品です。
 
     
    モゴサヌ(イタリア)作:「ホープ・ドア」
"どこでもドア"ではなく"希望の扉"です。
白い大理石は、さすが!イタリアの作品だなぁと思います。
窪んだところに小さな穴が空いています。そこから光が見え"希望の光"となります。
 

← 冨長敦也:作「アワ・ラブ」
ハート型の3色の大きな石が並べられています。
 
 小川徹也:作「1925~2013~」 
展示会場のど真ん中に箱庭のような作品が構えています。
1925年は、"ときわ公園"の基礎ができた年で、原点回帰の意味から、市民と連携して作品を作られたそうです。
"2013~"は、新たなスタートを意味します。




  阿比留生吾;作「種子」
次の時代に命をつなぐタイムカプセルのような種、生命の力強さを想いながら作られたそうです。
 
     
   ↑ 高橋勇一郎:作「グリーン・ファイアー」の先端部


 武田克史:作「羽衣伝説」
羽衣を無くして天に帰れなくなった余呉湖に1200年前から伝わる天女の話しをもとに製作。質感が滑らかで宙に浮いた作品に見えます。
 初代作品「蟻の城」の足元に臨む最新の2作品! 

湖と芝生広場、空と風の演出で、人工的な作品たちが際立って見えます。
恐らく、その時の天気や気温などで見え方が変化すると思います。
 
   

ビエンナーレの会場の隣では「彫刻といけばなの散歩道」を9月29日と30日のみ開催します。
「アート+いけばな」は、クールな作品に彩りを与え、"いけばな"もアートに見えてきます。




 アロエが横たわる小笠原流常磐会の作品「這うちから」
 "ハロウィン"に因んでカボチャの作品も見られました!   
     

   生けてます。イケてます! 


 
 
   
わたしが好きだったのは、この位置から見る2作品のコラボでしたが、果たして今回のビエンアーレの大賞はどの作品が選ばれるのでしょうか!
9月28日(土)に9名の審査員の方々が審査を行いました。

 
 そして!今年「第25回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)」大賞に輝いたのは!・・・・。

大阪府出身、冨長敦也さん(52)の作品「Our Love」に決定しました。
おめでとうございます。

素材はイタリア、イラン、旧ユーゴ産のトラバーチン(石灰質の岩)で重さは7300㌔!
 
   因みにそのほか8つの賞が決定しましたが、大賞宇部興産社賞の2作品は、作品を買い上げ、展覧会終了後、宇部市内に設置されるそうです。
宇部興産社賞、外磯秀紹さんの「Sin(サイン)」でした。

ビエンナーレ期間中は、様々なイベントもありますので、是非、お天気のいい日に行ってみて下さい。